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噛む健康・カラダづくり

ダイエットに本当に必要なこととは

2023.4.20

 「ダイエットをしよう!」と考えた時に思い浮かぶのは、「食事の見直し」や「運動」ではないでしょうか。

実際にダイエットを始めてみたけれど、あまり食べてないのに体重が落ちない、運動しているのに思うような体にならないという人もいらっしゃるのではなないでしょうか。ダイエットは間違った方法を選択すると体型が変わらないどころか、太りやすくなったり、リバウンドをしてしまったり、健康に悪影響を及ぼすことさえあります。

  

今回は「ダイエットに本当に必要なこと」をお伝えします。

   

  

ダイエットに本当に必要なこと

  

それは‥‥

1.バランス良く食事を3食食べること。

2.よく噛んで食べること。

3.体重の値だけで一喜一憂しないこと。

 

当たり前すぎて「ダイエットに必要?」と感じる人もいるかもしれません。でも、この基本的なことが身体を変えるために、とても大切なポイントです!

   

   

1.バランス良く食事を3食食べることが大切な理由

①不規則な食事は脂肪が溜め込まれる原因に

 忙しくて食事が食べられないなど食事が不規則になってしまうと、次にいつ食べ物が入ってくるかわからないため、身体は飢えに備えエネルギーを溜め込もうとします。そのエネルギーは脂肪として溜め込まれるため、一日の摂取エネルギーが同じでも食事回数が少ないほど内臓脂肪が蓄積しやすくなります。

   

②バランスの悪い食事は肥満や代謝の低下に繋がる

 もう一つ肥満や代謝を低下させる原因となるのが、どれか一つの栄養素を摂りすぎたり、炭水化物(糖質)制限や脂質制限のように一つの栄養素を摂取しないことです。

まず、大切なのは『エネルギー=生きるための燃料』の摂り方です。

エネルギー、つまりカロリーのもととなるのは、エネルギー産生栄養素と呼ばれるたんぱく質(Protein)・脂質(Fat)・炭水化物(Carbohydrate)の3つ。カロリーは「量」だけでなく、何から摂るのかその「質」も重要です。私たちに適したバランスはおおよそ、たんぱく質:13~20%、脂質:20~30%、炭水化物:50~65%(厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より)。

  

  

近年、炭水化物は嫌厭されがちですが、理想のバランスは半分以上が炭水化物です!

また、どんぶりものだけ、パンだけといった「○○だけ」の食事が続くと、ビタミン・ミネラルが不足しがちです。ビタミンやミネラルは、摂取した炭水化物(糖質)をエネルギーに換える働きがあります。エネルギーに換えられなかった炭水化物(糖質)は脂肪として体に溜め込まれてしまうので、効率よくエネルギーに換えられるようビタミンやミネラルも一緒に摂りましょう。

  

③欠食、過度の食事制限は痩せにくい体をつくる原因に

 過度の食事制限や、食事回数が少ないと必要な栄養素を十分に摂れなくなります。


たんぱく質などの筋肉を作るための栄養素が不足すると、筋肉がうまくつかず代謝が悪くなる恐れもあります。さらに、エネルギー不足がすすむと筋肉がつくられないだけではなく、生きるためや活動するためのエネルギー不足を補うために、筋肉を分解しエネルギーをつくるようになり、筋肉量が減少します。

筋肉量が減るということは、基礎代謝(体温維持、心臓や呼吸など、人が生きていくために最低限必要なエネルギー)量が減るということ。筋肉はエネルギーの代謝量が高いため、筋肉量が落ちると代謝が低くなり痩せにくい体質になってしまいます。

特に朝食を食べないと体内時計が乱れ脂質代謝や体温のリズムの異常が起こりやすく、体重を増加させるだけでなく筋肉量が減ってしまい、消費エネルギーが減少してしまいます。

  

  

2.よく噛んで食べることが大切な理由

  

  

①早食いは血糖値の乱高下に繋がる

 よく噛まずに食べることも、太りやすい体をつくることにつながります。

「早食い」は、満腹中枢が働くまでの時間がかかるため食べ過ぎを招き、腸にも大きな負担をかけます。さらに早食いは、血糖値の乱高下を招きます。血糖値の急上昇は、脂肪を溜め込みやすく太りやすい流れを作りだし、そのあとに続く血糖値の急降下は、脳が糖質を欲してすぐにお腹が空くという流れを生みます。

結果、間食や過食をしてしまうことにつながるため、しっかりと噛んで食べることにも意識を向けましょう。

  

②噛むことで消費エネルギーがアップ

 よく噛んで食べると、胃や小腸に血液を送る動脈の血流量が増加して消化活動が活発になり、「食事誘発性体熱産生(DIT:食後、食べたものを消化・吸収・運搬するときに消費するエネルギーのこと)」も大きくなります。

つまり、きちんと噛んで食べるだけでもエネルギー消費が増えるということです。

  

  

3.体重の値だけを気にするのではなく、見た目も内側も美しく!

  

 ダイエットをすると、どうしても体重が気になりますよね。

でも、もっと大切なことは身体の中身(質)がどう変化しているかということです。「痩せている」けれど元気がない、不健康な状態では毎日の生活を楽しむことはできません。引き締まった代謝の良い元気な状態をつくることで、日々の生活も意欲的に過ごすことができます。そのために必要なことは、規則正しく、バランスのとれた食事を3食よく噛んで食べること。

  

 食事制限が必要な場合もありますが、過度に食事を抜くのではなく、必要な栄養素を摂取するように意識しなければ、かえって不健康で痩せにくい体を作り上げてしまいます。また、痩せすぎは糖尿病やメタボのリスクを高めるといった研究結果もあります。特に、若い女性の痩せすぎには、骨密度減少リスク、将来の不妊症/低出生体重児のリスクが上昇するといった影響があるといいます。

(※参考 厚生労働省委託 働く女性の心とからだの応援サイト https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/(2023年8月23日利用)

 
 ちなみに、ダイエットにおすすめの食事スタイルは、多くの栄養素が一緒に摂れる「定食」です。忙しい時には、肉や魚、野菜も一緒にお味噌汁の具にして食べるもの一つの方法です。

  

もっと簡単に!という時には、炭水化物とたんぱく質が摂れ、噛むことが促される「ミライオニギリ」とインスタントの汁ものや野菜ジュースなどのセットもおすすめです。

  

「当たり前」を続けることは容易なことではないかもしれませんが、「継続」も大きなポイントです。ダイエットに必要な食事のポイントを押さえて、無理せずに実践してみてください!

  

▼「ミライオニギリ」

MIRAI Onigiri(ミライオニギリ) | 酒田米菓 (sakatabeika.co.jp)

  

  

  

参考

1)駒田亜衣,中井晴美,飯田津喜美,山田真司,三重短期大学,青森県立保健大学

日本ヒューマンケア科学会誌第 10巻 第 1号 2017年
【研究報告】内臓脂肪蓄積と生活習慣の関連についてー隠れ肥満を予防するには

2)Delayed first active-phase meal, a breakfast-skipping model, led to increased body weight and shifted the circadian oscillation of the hepatic clock and lipid metabolism-related genes in rats fed a high-fat diet(活動期の最初の食餌の遅れ,朝食欠食モデルは体重増加と肝臓の時計遺伝子と脂+質代謝遺伝子の発現の遅れを引き起こす)
Hatsumi Shimizu ,Fumiaki Hanzawa ,Daeun Kim ,Shumin Sun,Thomas Laurent,Miki Umeki,Saiko Ikeda,Satoshi Mochizuki,Hiroaki Oda
Published: October 31, 2018 plus one

3)濱田 有香,林 直亨 体力科学 第 65巻 第 3 号 287-295(2016)
「食べる速さが食事誘発性体熱産生に与える影響」