2026.01.21

「血糖値」と聞くと、甘いものを控える、食事量を減らす そんなイメージを持つ方も多いかもしれません。でも実は、『何を食べるか』だけでなく、『どう食べるか』も、血糖値の安定に大きく関わっているといわれています。
そのカギになるのが、「噛むこと」です。
1.そもそも「血糖値」とは?
血糖値とは、血液の中に含まれているブドウ糖の量のことです。
私たちが食事をすると、ごはんやパン、麺類、甘いものなどに含まれる「糖質」は消化され、ブドウ糖となって血液中に入ります。このときの血液中のブドウ糖の濃さを「血糖値」と呼びます。
血糖値は、体や脳を動かすために欠かせない大切なエネルギーですが、急激に上がりすぎたり下がりすぎたりすると、体に負担がかかります。
●血糖値はなぜ急に上がるの?
食事をすると、食べ物は消化・吸収され、血液中にブドウ糖として取り込まれます。
速食い、よく噛まずに飲み込む、柔らかいものばかり食べる、炭水化物だけに偏った食事、空腹の時間が長く続いたあとに食事をとる、ジュースや炭酸飲料、加糖コーヒーなどを習慣的に飲むといった食べ方・生活習慣が重なると糖が一気に吸収されやすくなり、血糖値が急上昇しやすくなります。
特に、 「お腹が空いた状態で甘い飲み物や炭水化物をとる」 といった場面では、血糖値が急激に上がりやすいため注意が必要です。血糖値が急に上がると、体はそれを下げようとしてインスリンというホルモンを大量に分泌します。
この血糖値の“上下の波”が大きくなるほど、
・食後に強い眠気を感じる
・だるさや集中力の低下が起こる
・甘いものが欲しくなりやすくなる
といった不調が現れやすくなります。
この状態が続くことは、将来的に 生活習慣病のリスクを高める要因にもつながるといわれています。
血糖値の急な上昇は、「何を食べたか」だけで起こるものではありません。食べる速さ、噛み方、食べる順番や習慣といった、日々の何気ない行動が大きく関わっています。

◎大切なのは「血糖値を上げない」ではなく「急に上げない」こと
血糖値は、「上がること自体が悪い」わけではありません。大切なのは、血糖値がゆるやかに上がり、ゆるやかに下がること。そのためには、『何を食べるか』、『どれくらい食べるか』、そして『どう食べるか』がとても重要になります。
ここで注目したいのが、「噛むこと」です。
2.よく噛むことが血糖値に関係するといわれる理由
噛むことには、血糖値の安定に役立つ働きがあるという報告もされています。
・食べるスピードが自然にゆっくりになる
・糖の吸収が一気に進みにくくなる
・満腹感を感じやすくなり、食べ過ぎを防ぎやすくなる
国内外の研究では咀嚼回数や咀嚼の仕方によって、食後血糖値やインスリン反応が変わることが報告され、また、厚生労働省や農林水産省の健康・食育資料でも、「ゆっくりよく噛んで食べること」は肥満や生活習慣病予防につながる食べ方として位置づけられています。
噛むことは、お口の機能だけでなく、全身の健康につながる大切な動きです。最近は、柔らかく噛まなくても食べられる食品が多くなったといわれています。また、忙しくて速食いになりがちで、「噛む力・噛む回数」が減っている方が増えているともいわれています。
噛む力が落ちると、血糖値のコントロールだけでなく、消化、栄養吸収、体力、さらには脳の働きにも影響を及ぼします。
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3.今日からできる「噛む」健康習慣
特別な食事を用意しなくてもできることがあります。
・一口目は、意識してゆっくり噛む
・食感のある食品を一品取り入れる
・「噛む音・感覚」を感じながら食べる
・間食も“噛んで食べるもの”を選ぶ
といったような小さな積み重ねが、血糖値を穏やかに保ち、体を内側から整えてくれます。
●噛むことは、体をいたわる習慣
「噛む」という行為は、誰でも、今日からすぐにできる健康習慣です。
血糖値を気にしている方はもちろん、疲れやすい、集中力が続かない、食後に眠くなる・・
そんな方こそ、まずは『噛み方』を見直してみてください。
一口一口を大切に噛むことが、未来の健康につながっていきます。自然と噛む回数が増える食品を、日々の食事や間食に取り入れてみるのも一つの工夫です。
酒田米菓は、「健康づくりは、食べること、噛むことから始まる」と考えています。せんべいのような自然と噛む回数が増える食品は、忙しい日常の中でも“噛む時間”をつくりやすい存在です。おいしく食べながら、体にとって大切な「噛む習慣」を育てていくことができます。
健康づくりの一つとして「おせんべい」を取り入れてみてはいかがでしょうか?

【参考】
●厚生労働省 e-ヘルスネット
「速食いと肥満の関係」「歯・口腔の健康づくり」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-10-002
●厚生労働省
「歯科口腔保健の推進に関する資料」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/shikakoukuuhoken/index.html
●食後血糖値に与える影響因子の検討
―食物繊維の形態差と咀嚼の有無について―
原口 翼,首藤 千草,白石 美恵
食生活研究 Vol 45 No.4(2025)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rsc/45/4/45_47/_pdf/-char/ja
● 「食事が血糖値に及ぼす影響 ―自由咀嚼摂取と強制咀嚼摂取の比較―」
内田あや 他(2009)
名古屋文理大学紀要 第9号(2009)
https://www.nagoya-bunri.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2022/03/2009_01.pdf
●「2型糖尿病を有する人の食行動の中の咀嚼に焦点を当てた研究の動向」
桑村由美 他
The Journal of Nursing Investigation Vol.6,No.2:70-82,November 30,2007
https://www.tokushima-u.ac.jp/fs/1/9/0/4/2/0/_/Vol_6-2-5.pdf 他