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スポーツと食事・栄養

アスリートに「野菜」が必要な理由、その働きとは

2025.12

  

 アスリートの食事では、炭水化物やたんぱく質が注目されがちですが、それらを最大限に活かすために欠かせないのが野菜です。野菜は身体の機能を整え、コンディションや競技力を安定させる重要な役割を担っています。

 

抗酸化作用で疲労回復を助ける

 
 高強度や長時間のトレーニングや試合は、身体に大きなストレスを与え、体内で活性酸素が増加します。過剰になると、疲労の蓄積や回復の遅れにつながります。緑黄色野菜に含まれるビタミンA、C、Eやポリフェノールなどには抗酸化作用があり、運動後の身体を内側からケアする役割を果たします。

 代表的な野菜:
にんじん、かぼちゃ、ブロッコリー、ピーマン、トマト、パプリカ、ほうれん草など

色の濃い野菜を意識して取り入れることが、リカバリーの質を高めるポイントです。



筋肉・神経の働きをサポート

 
 筋肉の動きは、神経からの指令が正確に伝わることで成り立っています。カリウムやマグネシウム、カルシウムは、筋収縮や神経伝達を円滑に保つために不可欠な栄養素です。これらが不足すると、力が入りにくい、集中力が低下するといったことが起こりやすくなります。特に発汗量や運動量の多いアスリートでは、日常的な補給が重要です。

 代表的な野菜:
じゃがいも、さつまいも、かぼちゃ、ブロッコリー、ほうれん草、枝豆、小松菜、モロヘイヤなど 

根菜や芋類は糖質も多く含まれるため、エネルギー補給とミネラル補給を同時に行える点で、アスリートにとって使いやすい食材です。



腸内環境を整え、コンディションを安定させる


 腸は栄養の吸収だけではなく、免疫や体調管理にも深く関わる臓器です。食物繊維は腸内細菌のエサとなり、腸内環境を良好に保ちます。腸内環境が整うことで、栄養の利用効率が高まり、疲労や体調不良が起こりにくくなります。遠征や試合が続く時期ほど、腸の乱れはコンディション低下につながりやすくなります。

代表的な野菜:
ごぼう、れんこん、さつまいも、キャベツ、レタス、玉ねぎ、きのこ類など

汁物や主菜の付け合わせなどにすると、毎日の食事に取り入れやすくなります。



骨や血液の材料となり、体を支える

 
 骨や血液は、トレーニングや試合を支える身体の土台となる組織です。カルシウム、ビタミンK、葉酸などは、骨形成や血液の生成に関わります。不足すると、疲れやすさやケガのリスク、回復の遅れにつながることがあります。特に成長期や運動量の多いアスリートでは、材料となる栄養の確保が重要です。

代表的な野菜:
小松菜、ほうれん草、ブロッコリー、ちんげん菜、モロヘイヤ、枝豆など

骨や血液は日々作り替えられており、ミネラル・ビタミン補給が体の土台を安定させます。




 野菜は体の機能を正常に保ち、パフォーマンスを安定させるための基盤となる存在です。「野菜=健康のため」ではなく、「野菜=競技力を継続させるため」。この視点で野菜を選び、日々の食事に取り入れることが、長く戦えるアスリートの身体づくりにつながります。



参考


●厚生労働省 健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~ 野菜1日350gで健康増進
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-03-015
(2025年12月31日)
●鈴木志保子,「理論と実践 スポーツ栄養学」,日本文芸社,2018
●高田和子・海老久美子・木村典代.「エッセンシャル スポーツ栄養学」,(有)市村出版,2020