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Column
噛む健康・カラダづくり

受験・卒業・新生活…春に差が出る冬の習慣づくり
高校生・大学生・新社会人になる方へ~

2025.11.29

冬は、一年で最も体と心の調子が揺らぎやすい季節です。
気温の低下による代謝への負担、睡眠リズムの乱れ、年末年始の食生活の乱れ…。
しかし、冬の過ごし方が、春からのスタートダッシュを決めるといっても過言ではありません。

このコラムでは、春のスタートに向けて『食と生活習慣』の冬の実践ポイントをお伝えします。特に、春から高校生、大学生、新社会人になる方に読んでいただきたいコラムです。

 

 

1.冬は“エネルギーと免疫の季節”

 

体温維持のためのエネルギー需要が高まる冬。同時に、乾燥と冷えで感染症のリスクも増えます。

 

~冬に意識したい3つの栄養軸~

①主食(ご飯)でしっかりエネルギー補給
 エネルギー補給のためにパンや麺類、ご飯などの主食をしっかりと摂りましょう。特に、ご飯は粒食であり自然と噛む回数が増え、血糖値の安定にも役立つため、おススメです。

②毎食たんぱく質を!
 細胞、筋肉の材料となるたんぱく質。免疫機能を担う細胞や熱を生みだす筋肉の維持などに関わるため、冬にも欠かせない栄養素。毎食こまめに補給できるよう意識しましょう!

③野菜・海藻・きのこも忘れずに!!
 抗酸化ビタミンや食物繊維で腸と免疫を整える作用があります。

 

 

2. 「噛むこと」は免疫機能・集中力・口の健康を支える万能習慣

 

「噛む」という習慣は、栄養吸収やパフォーマンス向上だけでなく、 “口の機能維持” に深く関わります。口の健康が損なわれると食べたいものが食べられなくなるだけではなく、十分な栄養素が摂れなくなるなど全身の健康リスクにも影響するため注意が必要です。

 

~噛むことで得られる冬のメリット~

①体が温まる
 よく噛んで食べることで、「食事誘発性体熱産生」が増加しエネルギー消費量が増えます。

 エネルギー燃焼=熱を発生➡「体が温まる」ということです。

「食事誘発性体熱産生」…食事の消化・吸収・代謝の過程で消費されるエネルギーのこと。

②集中力アップ
 脳の血流が増え、覚醒レベル・集中力・判断力など上がり、テスト勉強・仕事の効率が上がります。

③食べすぎ防止
 満腹感が高まり、年末年始の食べすぎ対策に最適。

④口腔機能(咀嚼筋・舌・唇)の維持
 咀嚼筋が弱くなると、発音の明瞭さ・表情筋の動き・飲み込みの機能にも影響。人付き合いや生活に支障をきたすリスクが増加します。

 

 

3. 冬は口腔トラブルが増える季節

 

冬は乾燥により、口腔内が乾きやすくなり、唇の荒れ、口臭、むし歯リスクの上昇といったトラブルが増えやすくなります。

 

~おすすめの“冬の口腔ケア”~

①鼻呼吸を意識
 口呼吸は乾燥・免疫低下の大きな原因。鼻が詰まる人は、部屋の加湿・鼻うがいも有効といわれています。

②舌と口まわりのストレッチ
 ・「あいうえお」を口を大きく動かして発音する
 ・舌を上下左右前後に動かす
 ・ほっぺを膨らませて空気を左右に動かす

毎日1分でも、口腔機能の機能維持に役立ちます。お顔の筋肉も刺激され、表情が豊かになったり若々しさの維持になったりします!!

③よく噛む食品を組み込む
 噛む=口腔筋のトレーニングです。 食事そのものが“機能訓練”になります。

 

 

4. 「食べるタイミング」は冬の体温・集中力を変える

  

①朝食は“体と脳のスイッチ”

 朝食を抜くと、体温上昇が遅れ、集中力が落ちます。朝食は胃腸のスイッチを入れてくれたり、体内時計を整えてくれたりする役目も担い、自律神経の安定にも影響しています。朝の食事はしっかりと摂りましょう!。

②昼食は“集中力キープ”

 よく噛む、汁物で温める、三点セット(主食・主菜・副菜)を揃えることを心がけましょう。

③夕食は“回復と睡眠”

 就寝3時間前に済ませることで、深い睡眠と免疫強化につながります。

 

 

5. 年末年始の食べすぎ・生活リズムの乱れを立て直す

 

食べすぎた翌日は「ご飯」でリセット

食事が乱れがちな年末年始。お腹の調子があまりよくないなという場合には、おかず(脂質やたんぱく質)を抑え、ご飯を多めに摂るのもおススメ。脂質やたんぱく質は消化に時間がかかり胃腸に負担をかけます。消化がしやすいお米は、食物繊維も含まれおり腸を整えてくれる効果も期待できます。

 

睡眠リズムを崩さない

起床時間のズレは「±1時間以内」に。自律神経の調節にも関わるため大きくズレが生じない生活を心がけましょう。また、唾液の分泌量には生活リズムと連動した「日内変動(サーカディアンリズム)」があるという研究結果が報告されています。規則正しい生活習慣は唾液分泌のリズムも整い、口の乾燥対策や健康リスクの軽減にも役立ちます。

 

 

春に向けた新年度準備を

 

新年度に心も体も気持ちよくスタートを切るために、できれば朝型の生活リズムを2月頃までに身につけましょう。その他に睡眠の質を高めるために就寝前のスマホ断ちと軽いストレッチをとりいれたり、軽い運動でもよいので継続してみたりするのもおすすめです

早めの習慣作りが、後々の自分を助けてくれます!!何事も元気な心と体があってこそ!

 ・よく噛む
 ・唾液を出す
 ・鼻呼吸
 ・バランスの良い食事
 ・良い生活リズム

このシンプルな習慣の積み重ねが、高校生・大学生・社会人の皆さんの“未来のパフォーマンス”を変えます。

 

この冬を「整える冬」にして、来春、最高のコンディションで走り出しましょう。

 

 

【参考文献】

■ 厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2025年版)』(2025年11月25日利用)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html

■農林水産省『日本人とお米の力 ~健康実現の救世主~』(2025年11月25日利用)
https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/okome_summary/03/health05.html