「咀嚼チェックせんべい」による 咀嚼機能と生活習慣の関係を調査― 第36回日本咀嚼学会(2025年9月14-15日)で研究成果を発表 ―
2025.09.30

秋田市歯科医師会と共同で実施した「咀嚼チェックせんべい」を用いた咀嚼機能評価の研究成果を、第36回日本咀嚼学会(2025年9月14-15日)にて発表しました。この研究では、咀嚼機能と食生活・生活習慣との関係を調べ、その有用性を検討しました。
1.口の健康が将来を左右する
「最近かたいものが食べにくい」「むせやすくなった」「会話の声が小さくなった」――
これらは年齢を重ねるとよくあることだと思われがちですが、実は『オーラルフレイル(口の虚弱)』と呼ばれる健康リスクのサインかもしれません。
オーラルフレイルとは、加齢や生活習慣によって「噛む力」「飲み込む力」「話す力」が少しずつ衰えていく状態のことです。放置すると食欲の低下や栄養不足につながり、体全体の筋力低下(サルコペニア)、転倒、寝たきり、さらには認知症のリスクを高めることがわかっています。つまり、口の衰えは全身の健康に直結するのです。
また、昨今は子どもの噛む力が十分に発達していない「口腔機能発達不全」も問題となっています。
そこで、酒田米菓は「噛んで食べるせんべい」と「健康」をコンセプトとした米菓商品の開発・販売に注力し、「Comefit(カムフィット)」ブランドとして展開しています。
~咀嚼チェックせんべいとは?~
Comefitシリーズの中の1商品である『咀嚼チェックせんべい』は、美味しく食べながらお口の健康状態を確認できるせんべいで、1枚を口に入れ、30回以内で飲み込めればお口の機能は正常と判定されます(成人対象)。
オーラルフレイルの早期発見に役立ち、健康づくりにもつながります。唾液で柔らかくなり塩分控えめで、ご高齢の方やお子様にも食べやすい食感です。
※咀嚼回数30回という基準値は成人の方が対象。咀嚼回数31回以上の場合には、専門機関への相談・受診推奨。お子様には30回基準は適用外ですが、おやつや咀嚼トレーニング、食べ方チェックのテストフードとして活用可能です。

2.研究の概要
●背景
咀嚼機能の低下は栄養摂取や生活の質に影響し、オーラルフレイルや全身の健康リスクにつながります。こうした課題に対し、歯科の現場から誕生した「咀嚼チェックせんべい」を、より一般的な評価ツールとして確立することを目指しています。
●研究概要
地域住民を対象に「咀嚼チェックせんべい」を用いて咀嚼回数・時間を測定し、朝食欠食や早食いなどの食生活習慣、喫煙や飲酒といった生活習慣、歯数や義歯使用などの口腔環境との関係を調べました。その結果、いくつかの項目で関連が確認され、本ツールが生活習慣や口腔機能の状態を反映する可能性が示されました。
●本研究の意義
・『自然な食形態(せんべい)』を活用し、咀嚼から嚥下まで一連のプロセスを評価できる点が特徴。
・食生活・生活習慣との関連を検討することで、予防歯科や生活習慣病予防への応用可能性を示した。
・歯科医院だけでなく、地域医療や介護現場でも使える一般的なスクリーニングツールとしての確立を目指す。
●今後について
今後は嚥下機能との関連についても検討を進め、幅広い現場で活用できる評価方法として発展させてまいります。
≪商品紹介≫

≪Comefit(カムフィット)ブランド≫
≪咀嚼チェックせんべい関連調査結果報告書≫
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